ちょっくら行ってきます~冴えない脚での走り方

ブルベの紀行文がメインです。あと適当に雑感。

弱者のブルベ

こんにちは、ちょっくらです。
新緑が目に眩しいこの季節、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、先にお断りしておきますが
今回はいつもとは違う趣旨でございます。
筆者が日頃どのようにブルベを走っているのか、
振り返りも兼ねて今一度ここで書き留めておこうかなと思います。
言わば備忘録です。
大袈裟なタイトルもご愛敬、
よろしければお付き合いの程を…



まずは改めて自己紹介。
年はアラフィフ、身長168cm、
体重62~3kg。喫煙者です。
どこにでもいる平均的な成人男性かと
思います。
脚力的にはブルベやってる中でしたら
中の下ぐらい。登りで頑張っても下り(苦手)で相殺され、
埋め合わせは平坦で、という感じです。
2016年の後半よりブルベに出走、現在(2019年5月)で20本強こなしてます。

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※乗り出しの頃。2014年ぐらいかな。
ビアンキのドロミテ。
まだビンディングにしてませんね。


きっかけは周りにやってる人間が多かったのと、
競技でなく自分のペースで走れる点が良かったからです。
初陣は神戸西200km。
ミスコースして往復10kmほど余分に走ってデビュー戦の洗礼を浴びました。
その反省を生かし、翌月の米原200kmではそつなく走り9時間台でのゴール。
翌2017年は年初よりコンスタントに出走、3月にはSR取得。間にフレッシュを挟み5月には倉敷1000kmにチャレンジ。
記憶が途切れ途切れになりながら5分前にフィニッシュ。そこからすぐ先のゴール受付まで一時間半掛かったというおまけ付きでした(笑)
その後も順調に2018、2019年ともにSR取得。で現在に至ります。

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※ブルベに出る頃にはこちらに。ジャイアンTCRアドバンスドプロ1。現在もカラーリング違いで乗り継いでます。


当初は指標となるべきグロスアベレージ20km/hで走れることを目標にしていました。25km/ならともかく、これなら頑張れば届きそうな気がしますし。400kmで上がり20時間台とかの脚があれば余裕を持って走行計画を立てれますからね。
やはり自分もなりたい訳です。


で、一年ほどやってみた時点でわかったのがグロス20km/hで走れてもせいぜい200kmまでという事。
仮に届かそうとしたらかなりストイックに鍛練しなけば無理な話。
これだと自身にとっては競技のレベルやん、やってても面白味がないわ、と。
ここでやっと己を知り、身の丈を理解いたしました(笑)


ただブルベにはグロス15km/hで走る制限があり、
コースや気候条件で難易度が変わる側面があります。
なので脚力があるにこした事ないのは事実、自転車において速さと軽さはある意味正義ですから。
 

そして当然ながら出る以上は認定完走を目指します。が、行った先で出来る限り楽しみたい欲も。初めて訪れる土地なら尚更です。
ランドネ=旅という認識でいたいですしね。
そうするとおのずと矛盾が出てきます。
グロス15km/h程度の脚でその時間を捻出するにはどうしていけばよいのか…


「彼を知り己を知れば百戦危うからず」


有名な孫子の兵法の一説です。
これに倣い自らを「弱者」と置き換え、
そこから思考していくことにしました。
いわゆる「強者」に値する方々がものすごく努力した上で走っている事を思えば、これまで多少はしましたが、あまりにも考えがなさすぎました。
そこで現状の足らない脚力を補うため、
経験則を元にどのようにすれば乗り切れるかを試行錯誤していきます。
その上で実践してることを600kmを例に出して書きだしてみます…。



スタート前~

・月イチぐらいがちょうど良い
以前は月に二本とか出走した事もありましたが、
気持ちが散漫になるのとエントリーする以上はDNSを減らしたい
(スタートラインに立てれば良し、DNFはあくまで結果と考えています)。詰め込み過ぎると仕事との折り合いが難しいですしね。あとフィーが安価とはいえ諸経費を踏まえると、です。
ブルベは月に一本がサイクル的にも無理なく集中して取り組めます。但し意識だけは高めに「一走入魂」で大事に走るよう心掛けております。


・粗食は体と財布にやさしい
普段は米、肉類は控え目で野菜中心の食生活です。
オッサンの不慣れな自炊です、せいぜい精進料理の出来損ないをイメージしていただければ(苦笑)飲酒も毎日ですし、年齢も年齢なので。

このようにしてから一年半ほどになりますが、体重管理がしやすくなったのと胃への負担が減りました。ブルベの際はリミッターを解除して食べれるだけ食べるようにしてますがストレスフリーです。前日までは特に変わらずでルーティンを守るようにしています。
※食費は一ヶ月一万円以内で収まります(酒、タバコ除く)


・一週間前には実走を
通勤で毎日15kmほどと三本ローラーを週2~3回。
せいぜい30分ほどなのでトレーニングと言うよりエクササイズです。実走するしないで大きく変わる(何も無しで走ると脚が思い出すまでに200kmほど必要)ので事前に100kmぐらいは欲しいのですが、最近は近場の十三峠を一本で終わらすことがほとんどです。
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・転ばぬ先の杖

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夜中の峠でパンク修理とか想像するだけで気持ちが滅入るので、タイヤとチューブはまだ使える状態であっても早めに交換しています。ここは割合きっちりと(自分比)

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チェーンルブ。
普段は汚れが付きにくいドライタイプを使用してますが、ブルベ出走前に粘度の高い物を注すように。
最初は小分けして持ち運んでたのですが、夜中に注油する際にやりにくかったのでこれをそのまま持って行ってます。
天候によっては結構使いますしね。

チェーンはアルテグラ使ってます。
変速の入りが悪くなってきた際に交換
。タイミング的に早すぎず遅すぎずかと。

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ライト、バッテリー類の充電は前回のライドが終了した時点で済ませています。リアライト類の電池は把握しやすいので全て新品に交換。
エネループを使おうか迷い中です。
あとブレーキ関連かな。
あ、まし締めも忘れずに。


・キューシートとにらめっこ
コースプロフィールを見ておおよその展開、上がりを予測。
次にキューシートを見て詳細を確認、要点をルートラボビューワに書き込みます。これをする事でコースの輪郭がくっきりと見え戦略が見えてきます。
ここから天気予報を照らし合わせ装備を出し、次に諸々を戦術として落とし込んでいきます。

このように書くといかにも、ですが
あくまで目安ぐらいでざっくりと。
基本アバウトな性格ですし、
アクシデントも旅のスパイス、それぐらいでちょうど良いと言い聞かせています(笑)
 
ただ、イメージトレーニングしておくと初見のコースでも心に余裕が生まれるので事前の予習は大事ですね。


・試合前計量
全備重量は15kgまでで収めるようにしています。いわば契約体重でしょうか。
後にも出てきますが、速く走れない分だけ乗車時間も必然的に増えます。
それに伴う装備負担との兼ね合いです。
装備が増えることの重量増は脚力と反比例する点がありますが、ブルベですとここらで収めないと自分的には厳しいです。
キャンツーなら17kg強ぐらいまでいきますが…
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※バッグ類は雨中でも安心なオルトリーブで。


・睡眠預金を作ろう
脚力で睡眠時間を稼げない分を寝溜めで補います。前日を休みにして丸々あてるように。
開催場所とスタート時間によっては、
前泊を宿でなく、適当に仮眠で済ます場合もありますが予め寝溜めしておくとその際にも生きてきます。



スタート~PC1

・PC1までは頑張れ、俺。
ある意味鬼門のPC1。距離で50~80kmぐらいですか、ここで貯金一時間を目処に。
サラ脚で稼ぐのが一番効率が良いように思います。逆にここで稼げないと時間に追われる展開になることが多いです。


・とにかく食べまくれ!

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スタート前は牛丼特盛を。
お代わりが欲しいぐらいですがさすがに自重します。

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PC1ではパックご飯をレンチンしてもらう事が多いかも。弁当の白飯よりも胃に優しいように感じます。コンビニのフライドフーズが無い時はツナ缶とかで。
序盤は消化に時間の掛かる脂質を意識して摂ります。
案外胃に負担が無いような、あと咽の乾きも。

通じて言えるのですが、ブルベ中は普段と逆で魚介類、いわゆる生モノはそれほど欲しいとは思いません。皆さんがよく食べている海鮮丼とかは全然。二日目に入ったぐらい地方の回転寿司とかには入ってみたいと思うのですが、
量を食べるだけに後の咽の渇きを考えると二の足を踏んでしまいます…

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300km辺りでの晩飯(三人前ですが一人で平らげました)。
この時は主催側が用意してくれた宿泊施設の弁当です。中間地点辺りで仕切り直しの意味も込め、店で食べるようにしています。あと出来るだけ手作りを食べるように心掛けてますね。
ここをピークにして以降は食べる量を抑えていき、最後のPCでは糖質メイン少量、例えばキットカット一本とかで終わらすようにしています。


いわゆる低燃費のアスリート体質の方々とは違い燃費の悪い体です。なので良い「オイル」も大事ですが元のガソリンの質、量を意識してます。後述しますが走行中に補助剤として摂るのは電解質パウダーとアリナミンぐらいです。前はアミノ酸とかも飲んだりしてましたが最近これに落ち着きました。



300km地点~PC5から6ぐらい

・貯金二時間は金科玉条
PC1で作れた貯金が自然増するとこれぐらいになります。グロス17km/hぐらいのペースになるのかな。三時間取れたら万々歳、自分へのご褒美をつい考えてしまいます(いるのか?)
内訳は睡眠に一時間、残りはアクシデントに対応する時間として一時間。
ここまでくれば完走する確率はかなり高まります。それにともない疲労が出だす時間帯、決して無理せず、ゆっくりじっくりです。

・陽が落ち始めたら…
初日の夕方が近づくにつれ、ペダルを回せど進捗が芳しくない、
寝たはずなのに眠気が…。
こんな状態が出てくるとウェア交換のサイン、衣装替えの時間です。
ちょっとした事ですが、これで下がっていたパフォーマンスが回復します。
意識しているのは常に汗ばむぐらいをキープする事です。


・時間よ止まれ……
睡眠時間は一時間を目安にしてます。
これ以上取れないこともないのですが、600kmでしたらそれで事足ります。
先の寝溜めと関連してきますが、
脚に自信がないことからくる逆算です。

最初はホテルを押さえたりもしました。が、チェックインの時刻を過ぎてしまうこともしばしば。仮にたどり着けても手続きにも時間割きますし、寝れて30分とか。自分には不経済かつ非効率でした。
なので適当な場所を見つけたら「仮眠」するようにしています。
ここらは臨機応変ですね。

ホテルで寝ることに比べると眠りの質はどうしても落ちます。そして寝不足を感じたら即ちに「追加融資」を実行です。
ここまで来たらバス停であろうがもうどこでも眠れます(笑)残しても意味のない「貯金」ですしね、むしろ使い所で使わないと。零細企業の資金繰りならぬブルベライダーの睡眠繰りと言ったところです。ペダルと一緒で回してナンボですか、嗚呼……。

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※イメージ画像

このように睡眠時間を圧縮して夜中にコツコツ走り、寄り道する時間を捻出しています。楽しそうに見える風景も涙ぐましい努力の上に成り立っているのです。まぁ現実なんてこんなモンです。


因みに夜間走行するメリットは車への配慮が軽減。星空が綺麗(結構楽しみ)。
あとやったた事ないですが唄い放題(らしい)

デメリット。
色々ありますが、一番は夜通し走ることによるライト類のバッテリー消耗。これをリカバリーするために20000mAhのモバイルバッテリーを持参しています。重量増になりますが背に腹は代えれません。前述しましたが、事前の装備選定にはいつも頭を悩ませます。
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※20000mAhで500g。走行中にスマホ、ガーミン(edge)の充電をこれで賄います。


・ショッパイ走りでスミマセン!
「塩ライダー」なんです。元々塩が出やすい体質です、有り難くないことに。
ウェアに浮き出したら電解質パウダーを真水もしくはアルカリイオン飲料と同割にしたのに入れてチビチビ飲むようにしています。

あと暑さ対策と言うほどの事でもないかも知れませんが、6月ぐらいからはキャップではなく綿タオルを頭に巻いてます。水を被ったときに一番持ちがよいのと、後ろの結び目が後頭部に当たり程よく冷却してくれるのと。あと顔を洗ったりした際に直ぐ拭けるのと。
見映?そんなモン気にしてられません(笑)
※6月4日加筆。


・ルーティン崩すのダメ。ゼッタイ。
オーバーナイトする600kmになると
日常のルーティンを出来る限り崩さないよう意識しています。特に歯磨き、排便は必ず済ませます。
これをするしないで気分的に大きく変わりますね。
入浴は時間の余裕との兼ね合いですが、手頃な場所を見つけたら行くようにしています。あと普段からですがアリナミンを服用しています。筋肉疲労の緩和だけでなくて便通にも良いので。
ヒゲ?剃りません(笑)



400km~PC7からゴール

一休さんで行こう!
ここまできたら走行一時間を目処に敢えて休憩を取ることが多いです。自販機で缶コーヒーを飲み終えるぐらいを目安にPC以外でも。
調子がよければそのまま走る場合もありますし、その時の状態次第でフレキシブルに。
因みにここでよく後続にパスされます。
その度にもう少ししっかり走れたら良いな、とか思ったりもしますが慌てる必要もないですし。
これも自分のペースなので。
今後の課題ではありますが…


・ワイルドサイドを走れ!?
ルートを外すのは諦めてます、方向音痴なので致し方ありません(笑)ガーミンの精度にもよりますが2~10kmは余分に走っていることが多いです(寄り道含む)
地図を読める力をつけないといけませんね、これも課題です。


そうこうしながらも脚は止めず、
あと何kmあんねん、とサイコンの表記をやたら気にしながらもダラダラと走り続けてゴールへと。
受け付けを済ませ、一息ついたら
先ずは無事に終われた事に感謝。
そして…


結果に関わらず胸を張れ、そして杯を上げろ!!


苦しんだ?後悔してる?
反省は後からでも大丈夫。とりあえず苦い思いはさっさと酒で洗い流して次へのステップへ!

歓喜かい?なら「勝ち水」を好きなだけ!
足らずは次への誘い水、とっとと次の杯へ!

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※あくまで自己責任で。
家に帰るまでがブルベです!


この「儀式」はどんなに追い込まれても欠かした事はありません。認定よりもこのために走っているのかも、とふと思ってみたり。何より走り終えた充実感が至高のアテですから…

上がりはだいたい38~9時間台が多いですかね、直後はだいたい放心してます。
で、アフターはきっちり
「ブルベ腹」へと。
アホほど食ってるのに(笑)

肉がモーレツに喰いてぇ!てな事はないです。炭水化物が多いですかね。アルコールはビールと酎ハイです。水分を欲する所があるのでしょうか、ハードリカーは受け付けないですねぇ。
暴飲暴食した分だけ体重も2~3kgは増えますが、あくまで一時的で一週間ほどで元に戻ります。

そして数日後、落ち着いた頃合いでローラーに乗り次のブルベへと気持ちを切り替えていきます……


書き出してみると日常生活のルーティンを守りつつ、いつもよりしっかり食べる。ここらが大事なんでしょうか。距離が伸びる分だけその傾向が強まるように感じます。

こんな感じのサイクルをここ二年ほど
試行錯誤しながら過ごしております。
表題の通り、脚もなければテクニックもない、ないない尽くしで百戦危うからずにはほど遠いのが現実ですが……

あくまで結果は二の次、
出し切れたらそれで良し!
そんな気持ちでいつも走っております。
遊び方は人それぞれですし、何より自身が楽しめるのが一番だと思います。
所詮は「じこまん」なのでね。


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