ちょっくら行ってきます~冴えない脚での走り方

ブルベの紀行文がメインです。あと適当に雑感。

目指せ!Flèche(フレッシュ)⑪~Deep Inside

こんにちは、ちょっくらです。
最近通勤中にこんな風景が
目につくようになりました。

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3月10日よりはじまる春場所に向け、
各部屋の宿舎にはこんなのぼりが。
そして街中の所々で力士を見かける
機会も。
その際に鬢付け油の香りを感じると、
大阪にも春がやってきたなと実感します。
さて、今年は荒れる春場所とすなるの
でしょうか…


そんな季節の移ろいを楽しむ反面、
越えなければいけない峠が近づいて
きたな、と。
俗にいう花粉症峠?です。
この一番を取り終えてこそ「千秋楽」。
まぁその頃には「夏場所」になってたり
するオチですけど(笑)
そう、春とは「闘い」の季節なのです…



では、そろそろ我々の闘い(?)の
続きを始めましょう。
房総フラワーラインへと入り、
貯金を稼ぐためペースアップしよう
とした矢先、Z氏よりSOS!
これまで後方で黙々と走り、
専属カメラマンとしての責務を果たして
くれていたので安心していましたが
(実は忘れてた、笑)
とうとう睡魔に襲われたようです。
今までの実績からして、どこかで
出るのは折り込み済みでしたが…


「うーん、予想より早いな。
しかもこのタイミングで!笑」


ここは少しでも稼ぎたい所でしたが、
背に腹は代えられません、
再度長めの休憩を入れます。

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Mさんもお付きあい(するんかいッ!!)


楽しかった前半とはうって変わり、
一気に野戦病院の様相へ。
導入からして、すんなり行けるかと
思いましたが、なかなか上手くはいかないものです。
それでも前へ進まないとゴールに
たどり着けません。
休憩を終え、さらに進みます。



房総半島の南端辺りまでやってきました。当初、近くにある野島崎灯台をPCにしようか迷ったのですが、灯台と言えば登りが少なからずあるはずだろう、ペース的に着いたとしても夜中だろう、で回避しました。
やはり正解でしたね(笑)
ここで房総フラワーラインを外れ、
県道86号線へと入ります。



予定より遅れ気味ですが、
PC3 セブンイレブン白浜滝口店へと
着きました。
スタートより228km地点で30分ほどの
貯金。想定より一時間ほど少ない形ですが、現状を踏まえたら良しとしましょう。

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次のPCまで約60km。
ここからは本コース唯一の
アップダウン(?)がある区間です。
ここまでである程度の貯金を稼ぎ、
仮眠及びペースダウンに備える
予定でしたが、前倒しで吐き出し
となっています。
そこで現状を鑑み、敢えて無理を
せず登り区間をスローペースで
負荷を少なくし、出来る限り疲労
抑え終盤に備えます。


これから先、今以上に起こりゆくで
あろうペースダウン。
どこまでで歩留まりしてくれるか
気がかりです。
懸念していた風の影響が少ないのが
唯一の救い。


「次のPCに貯金ゼロのイーブンで
滑り込めたら何とか見えるか、
借金やと二人の状態次第やな」


そんな事を考えつつ…



先のPCを出て程なく館山市へと。
風光明媚な所なのだろうな、
と思いつつも今は真夜中(笑)
単調に続くルートに集中力が
途切れたのでしょうか、軽くコースロスト。後ろの二人に鼻で笑われ、軽く凹みながらも気を取り直し走りだします。
そうしてる間に前輪に衝撃が!?


ぐわぁッッ!! 


何かに乗り上げたようです。
落車かっ、と思いましたが事なきを
得ました。すぐに立ち止まり自転車を
確認、どこにも異常はなさそうです。
そして後方を振り返ると何か動物の
死骸らしきものが月明かりにうっすらと…


乗り上げたのは、ロードキルした
タヌキの亡骸でした。
野性動物との衝突(接触?)は初めて
ですが変な感覚でしたね。
最初ゴツンと固く、次に柔らかく…
完全なる不注意ですが、これで済んで助かったなと。それにしてもタヌキには悪い事をした、この先二人に偉そうに
言えんわ(どーせ言うけど)と
思いつつ気を引き締め直します。
ここらが自身疲労のピークでした。


そして訪れた登り区間
気を紛らわせるため、
三人で過去の○○○話(*^^*)などを
ワイワイと喋りつつ何とかクリア、
館山市から南房総市に。
ここから県道127号線を海岸線沿いに
走るルートが続きます。
若干風が吹き出し疲労の溜まる
二人には堪えてる様子。
落ち気味のペースがさらに落ち、
所々で休憩を挟むまでに。


「DNF…!?」
「DNF…!?」
「DNF…!?」


嫌な三文字のアルファベットが
頭の片隅にちらつきだします。


「いや、まだまだ二人は元気なはず、
大丈夫大丈夫!(多分、きっと)」


そう心に言い聞かせます。
鋸南町を経て富津市へ。うろうろしながらもPC4、セブンイレブン富津岬店に着きました。 286km地点です。ここから少しずつ市街地へ。

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やはり、というか当然というか…
予想よりはるかにペースダウン、
所定時刻を30分程オーバーしました。
恐れていた「借金生活」へ突入です。
いよいよ「ムチ」を入れる時か…
ここで二人に喝を入れます。


「このままのペースやと無理やで!
もー平坦しか無いんやし、
頑張って巡航25kmまで戻そうや!」


「……」
「……」


疲労困憊な二人はただ頷くのみ。
しかし、ここが正念場。
なりふり構っていられません、
意を決して走りだします。
しかし、笛吹けどなんたら。
振り返ると二人は見えません…
しばらく立ち止まり到着を待ちます。
程なく合流しますが、20km/hペース
がやっと。この状態を数回繰返し、
気まずい空気のままダラダラと…
そして君津市から木更津市へと入りましたが膠着状態は相変わらず。
一向に上がらないペースに業を煮やし、
再度喝を入れます。


「このままやとラチあかんな、
もうここで止めるか?」
(辞めたないけど)


半ばヤケクソです。
すると、


「◎△$♪×¥●&%#?!」
「◎△$♪×¥●&%#?!」
「◎△$……(以下略)


Mさんがキレ気味で叫び出します!!
(ハッキリ聞き取れなかった、だって怖かったもん)
どうやら喝が効いたみたいで、
覚醒して最終形態へと移行した模様(笑)


そこからは今回の白眉とも言える展開、
Mさん自ら前へ出て「火の玉」の如く
我々を力強く牽きます。
ようやく待ち望んでいた展開です!


「ひょっして、もしかしたら
いけるかも…」


淡い期待、いや藁にもすがるの方が
近いか。そんな心情でペダルを
回していきます。
が、蓄積された疲労は正直。
ありがちな最終形態のパターンよろしく
長くは続きませんでした。
10kmほど走った所で「通常運転」へと
戻ります…



時間が過ぎ行く事で
誰もが「終わり」が近づいてる事を
感じます。
しかし、まだオンコースしているの
です!
貧脚な分、我々は終盤にしつこく
足掻くことに慣れています。


「とりあえず行ける所まで行こうや!」


誰となく前へと。
歩みはゆっくりですが、進む意思は
まだ誰も捨ててはいません。
そして東京湾岸道路(16号線)へと入りました。
幹線道路で大型車の通行量が非常に多い為、やむなく歩道を走ります。コース精査の甘さを悔やみますが、幸いにも歩道が広めなのが救いでした。
こりゃPCまではこの調子やな、
そんな事を考えつつ、ふと振り返ると
二人がいません。
しばらく待ちますが来る気配が無いため、探しに来た道を引き返します。
すると立ち止まっている二人の姿が見えてきました…


どうやらZ氏が落車した模様。
聞くと疲労で意識が飛んでいたとの事。
大事に至らなかったのは不幸中の幸いでしたが、さすがにこれ以上の無理は
強いれません。


「来るべき時が来たようやな、
ここらが潮時か…」


タイム的にも先の展開を踏まえると
厳しい現実。そしてここから駅が
近い事も決断を後押しします。

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そして満身創痍の三人はPC5、
ローソン市原五井南海岸店へ。
ゴールまで約50kmを残し、
我々の「旅」 は終わりを迎えました…


(続く)




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